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緑内障に対するレーザー・手術

 

目的

緑内障のレーザー・手術といっても種々のものがあり、その対象となるタイプも異なります。しかし基本的には眼圧を下げることによって、これ以上視野狭窄が進まないよう図るのが主な目的で、視力や視野を回復させることは一般的には難しいです。

レーザー

いずれも外来で行えます。

1) SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術:隅角光凝固術)

慢性緑内障で眼圧コントロールが点眼薬で不十分な場合などに行います。点眼麻酔をした上でレンズを目に当てて、隅角にある線維柱帯にレーザーを照射して、その部分の目詰まりを軽減します。約15分程度で終わります。効果には個人差があり、かなり下がる場合とあまり下がらない場合があります。効果があった場合も2~3年ぐらい経つと、再上昇してくることがあります。その場合には再度行うことも可能です。

2) LI(レーザー虹彩切開術:虹彩光凝固術)

急性緑内障の発作(急に眼圧が極端に上昇)が起こった場合や発作の予防に行います。1)と同様にレンズを当てて、虹彩の周辺に小さな穴を開け、房水(眼内を満たす体液)が流れるバイパスを作ります。これも大体15分程度で終わります。眼圧を下げたり、眼圧が上がるのを予防したりします。合併症として水疱性角膜症という病気がしばらくして起こってくることがまれにあります。

手術

いずれも手術場で行い、日帰り手術が可能ですが、1)だけは術後の処置・安静を考えると入院での手術の方がベターです。

1) 線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)

慢性緑内障で眼圧コントロールが不良なため十分眼圧を下げたい場合などに行います。強膜(白目)の一部を切除して房水(眼内を満たす体液)を目の外に導くバイパスを作る手術で、一般的に上述のSLTよりも確実に眼圧を下げることが可能です。約1時間程度かかります。術後の出血や炎症がやや強く出たり、手術後しばらく眼圧が安定せず、縫合した糸をレーザーで切るなどの処置を要したりします。

2) 緑内障治療用インプラント挿入術

小さな人工物であるインプラントを眼内に挿入して房水を眼外に導き、眼圧を下げる手術で、近年、保険適応となりました。トラベクレクトミーと似ていますが、強膜を切除する必要がなく、その代りにインプラントを挿入します。トラベクレクトミーと同様にバイパスを作る手術で、眼圧を下げる効果はほぼ同等とされていますが、一般的に、より合併症が少なく、要する時間もやや短くてすみます。

3) 線維柱帯切開術(トラベクロトミー)

慢性緑内障で眼圧コントロールが不良なため十分眼圧を下げたい場合などに行います。トラベクレクトミーと少し異なり、本来の房水(上述)の排出路を開け、再度流れるようにして眼圧を下げる手術です。効果は一般的にトラベクレクトミーよりやや劣りますが、合併症は比較的少なめです。しかし、術後数日は出血のため見えにくくなることがあります。時間は30~40分程度です。

4 ) 隅角癒着解離術

急性緑内障の発作後や慢性緑内障において、隅角に癒着が生じたため房水が排出されにくくなり眼圧が高い場合に行います。白内障手術と同時に行うこともあります。

5) 周辺虹彩切除術

急性緑内障の発作時にレーザー(LI)等ができない場合、行うことがあります。15~20分程度で終わります。

房水は絶えず毛様体突起から産生され、シュレム管から排出されています。この房水の産生と排出のバランスで眼圧が保たれています。

外来のご案内

なるべく月曜から金曜の午前中(10時~12時)に、受診していただくようお願いします。午後や土曜日などは十分な対処ができない場合もありますので、外来にお問い合わせください。急性緑内障の発作など緊急の場合はその日のうちにレーザー等を行いますが、急がない状態の場合は予約により後日、レーザーや手術を行うことになります。

主治医から一言

緑内障手術は原則として、今以上の悪化により失明に至るのを防止するために行う手術で、視力回復を主な目的とする白内障手術とは基本的に異なります。結果的に手術前より視力が落ちる場合や数回手術を繰り返す必要のある場合もあります。手術の合併症も白内障より多いので、手術後にきちんと来院していただく必要があります。インプラントを用いた緑内障手術は一般に手術後の合併症が比較的少なく、より安全に行える手術ですが、適応とならない場合もあります。



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